キャンベルタウンウイスキーとは

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キャンベルタウンウイスキー: 忘れられた「世界の首都」の復活

スコットランドのキンタイア半島に位置する小さな町、キャンベルタウン。かつては30以上の蒸留所がひしめき合い、「世界のウイスキーの首都」と呼ばれていました。現在はわずか3つの蒸留所しか残っていませんが、その個性的なウイスキーは、再び世界中の愛好家から注目を集めています。

1. キャンベルタウンの歴史と地理

キャンベルタウンは、19世紀にはスコッチウイスキーの最大生産地でした。しかし、品質よりも量を追求する「偽物」のウイスキーが横行したことや、アメリカの禁酒法の影響により、多くの蒸留所が閉鎖に追い込まれました。

その後、キャンベルタウンは長らく忘れられた存在でしたが、近年、残された蒸留所の努力により、そのユニークなウイスキーが再評価されています。

この地域は、アイラ島と同様にピートが豊富にあり、海に囲まれているため、ウイスキーにもその土地の個性が強く反映されます。

2. キャンベルタウンウイスキーの味わいの特徴

キャンベルタウンウイスキーは、他の地域にはない、独特の個性的な風味を持っています。

  • 潮風と塩気:海に面しているため、潮風を感じさせる塩気や磯の香りが特徴です。
  • 軽やかなピート香:アイラウイスキーのような強烈なスモーキーさではなく、穏やかで軽やかなピート香が感じられます。
  • オイリーさ:モルトの油分が強く、舌触りがなめらかでオイリーな質感を持つ銘柄が多いです。

これらの特徴が組み合わさり、全体的に力強く、複雑で、バランスの取れた味わいを生み出しています。

3. 代表的な銘柄と個性

現在稼働している3つの蒸留所は、それぞれ異なる個性を持っています。

  • スプリングバンク(Springbank)
    この地域を代表する蒸留所で、伝統的な製法を守り続けています。軽めのピート香、潮気、そして複雑な風味が特徴です。すべてのウイスキーが「二回半蒸留」という珍しい製法で作られています。
  • グレンガイル(Glengyle)/ キルケラン(Kilkerran)
    スプリングバンクの兄弟蒸留所として知られています。スプリングバンクよりも少し軽やかでフルーティーな銘柄が多いです。
  • グレンスコシア(Glen Scotia)
    「ウイスキーは海苔のよう」と表現されるほど、潮気や磯の香りが強い銘柄が多いです。

まとめ

キャンベルタウンウイスキーは、一度その独特の個性を知ってしまうと、その魅力から離れられなくなると言われています。力強さと繊細さが同居する、唯一無二の味わいをぜひ試してみてください。

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