スコットランド、アイラ島で造られるウイスキーの中でも、最も強烈で個性的な香りを放つ「ラフロイグ」。「セレクト」は、その強烈な個性を保ちつつ、より多くの人に愛されるよう、複数の樽の原酒を巧みにブレンドして誕生しました。「消毒薬」や「磯の香り」と形容されるラフロイグの象徴的な風味に、穏やかな甘さとやわらかさが加わった、ラフロイグの入門編として最適な一本です。
ラフロイグ セレクトの個性:樽のハイブリッドが生む甘い調和
ラフロイグ セレクトは、以下の異なる原酒がヴァッティング(混和)されて生まれます。
- メイン原酒:アメリカンオークのバーボン樽で熟成された原酒。
- 強調原酒:濃厚な風味を与えるシェリー樽原酒。
- 特徴原酒:定番の10年よりも古いラフロイグ クォーターカスク(小樽)原酒。
特に、シェリー樽やクォーターカスクの原酒が加わることで、ラフロイグの個性を象徴する強烈なスモーク(ピート香)が、より甘く、なめらかなテクスチャーに変化します。これにより、ラフロイグのアイデンティティは保たれながらも、全体として非常にバランスの取れた味わいを実現しています。
テイスティングノート:スモークとフルーツの優しい共存
色(Color):明るいゴールド
鮮やかなゴールド。加水によってやや色が薄まりますが、樽の影響による自然な輝きがあります。
香り(Aroma):穏やかなスモークと柑橘の甘み
グラスに注ぐと、まずラフロイグらしいヨード香や海藻、スモークの香りが立ち昇ります。しかし、定番の10年と比べると、そのピート香はずっと穏やかで、クリーミー。奥にはレモン、ライムのような柑橘系の爽やかな甘みと、バニラのような柔らかな香りが感じられます。スモークに慣れていない方でも、アロマティックに楽しめるバランスです。
味わい(Taste):スパイシーな刺激と濃厚な甘さ
口当たりはなめらかで、舌に乗せるとすぐに温かいピートの刺激とスモーキーな苦味が広がります。その後を追うように、シェリー樽由来のダークフルーツや、蜂蜜、メープルのような濃厚な甘みが追いかけてきます。スモークと甘さが短時間で入れ替わり立ち、最終的にはドライでスパイシーな余韻へと続きます。複雑で多層的な味わいです。
余韻(Finish):長く続くドライなピート
余韻は長く、ドライ。ラフロイグの特徴である潮の塩気と、燃え尽きた焚き火のような心地よいスモークが長く残ります。後味は非常にクリーンで、重さを感じさせません。
セレクトの試飲がおすすめの方
ラフロイグ セレクトは、アイラモルト初心者や、「スモーキーなウイスキーが好きだが、もう少し甘さや複雑さが欲しい」という方に特におすすめです。ストレートでその個性を、ハイボールでその華やかな甘みを楽しんでみてください。

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