三郎丸蒸留所のスーパースモーキーハイボール:テイスティングノート|規格外の「80ppm」が描く、スモーキーの到達点

日本のクラフトウイスキー界を牽引する富山・三郎丸蒸留所から、衝撃的な一本が登場しました。「スモーキー」をアイデンティティとする彼らが、その個性を極限まで突き詰めた数量限定品、その名も「三郎丸蒸留所のスーパースモーキーハイボール」です。通年商品のハイボール缶でも「50ppm」という高いフェノール値(スモーキーさの指標)を誇りますが、本作ではそれを遥かに凌駕するフェノール値80ppmのスーパーヘビリーピーテッド麦芽を使用。まさに三郎丸が追い求めてきた「スモーキーという個性」の一つの到達点とも言える、圧倒的な一本です。

目次

背景と革新:80ppmという未踏の領域へ

この「スーパースモーキー」が特別である理由は、単に煙たいだけではなく、その強烈な個性を支える技術と哲学にあります。

  • 衝撃の80ppm原酒:ウイスキーの聖地アイラ島でも、ここまでの数値を持つウイスキーは稀です。メーカー公式発表にて「80ppm」と明言されたこの麦芽は、口に含んだ瞬間の爆発力と、余韻の深さを格段に引き上げています。
  • ZEMON(ゼモン)が生むボディ:世界初の鋳造製ポットスチル「ZEMON」で蒸留された原酒は、肉厚でオイリーな酒質を持ちます。この太いボディがあるからこそ、80ppmという強烈なピート香に負けることなく、ウイスキーとしての濃厚な旨みと甘みをしっかりと支えることができるのです。
  • 純粋さの極み:これほどの個性を持ちながら、香料・保存料・糖類は一切不使用。ごまかしのきかない「ウイスキーとソーダのみ」の構成で、原酒のポテンシャルをダイレクトに伝えています。

感覚分析:煙の奥にある、濃密な甘みと芳醇さ

見た目(Appearance):クリアで力強い発泡

グラスに注ぐと、透明感のある淡いゴールド。しかし、立ち昇る泡の勢いと共に、グラスの周囲の空気すら変えてしまうような香りの波動を感じます。

香り(Aroma):圧倒的な焚き火と、予想外のフルーティーさ

ノーズはまさに圧巻。キャンプ場の焚き火、濡れた土、薬品(ヨード)の香りが一気に押し寄せます。しかし、通常版と決定的に違うのは、その煙の奥にある「甘い香り」です。煙たさの中に、熟した穀物やバニラのような芳醇なアロマが感じられ、単に煙たいだけでなく、非常にリッチで多層的な印象を与えます。

味わい(Taste):力強いアタックと広がる旨み

口に含むと、炭酸の刺激と共に80ppmの煙が爆発しますが、驚くべきはその直後に広がる濃厚な甘みです。ZEMON由来のオイリーな酒質がスモークを優しく包み込んでおり、角の取れたまろやかささえ感じます。ドライでキレが良いのはもちろんですが、通常版よりも「味の厚み」が段違いで、飲みごたえが非常に高いです。

余韻(Finish):終わらない燻製の記憶

フィニッシュは極めて長く、深く続きます。飲み込んだ後も、口の中から鼻腔にかけて上品な燻製香がいつまでも留まり、まるで上質な葉巻を嗜んだ後のような充足感に包まれます。この余韻こそが、スーパーヘビリーピーテッドの真骨頂です。

最適な楽しみ方:この一杯を主役に

「スーパースモーキー」は、食中酒としても優秀ですが、まずはこの強烈な個性を単体で味わってみてください。

  • ペアリングの提案:燻製ナッツ、いぶりがっこ、ハードタイプのチーズなど、香りの強いおつまみと合わせると、互いの個性が引き立ちます。また、脂の乗ったステーキや、スパイスの効いたカレーにも負けない力強さがあります。
  • 温度変化:キンキンに冷やして飲むのが基本ですが、少し温度が上がってくると、原酒の持つ甘みやフルーティーさがより顔を出します。ゆっくりと時間をかけて飲むのもおすすめです。

総評: 三郎丸蒸留所のスーパースモーキーハイボールは、スモーキーウイスキーファンへの挑戦状であり、最高のご褒美です。この「80ppm」の衝撃は、ハイボール缶の歴史に刻まれる一本と言えるでしょう。

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